なぜ日本にはこんなにスタートアップが少ないのか?

(info source: https://medium.com/japonica-publication/why-does-japan-have-so-few-startups-a4476208ae1d
(image source: Photo by Timo Volz on Unsplash

「Why Does Japan Have So Few Startups?」という題名で考察がされています。観察された主観も織り交ぜつつ、フラットな視点がとても説得力があります。なぜこんなに日本には起業家が少ないのでしょうか?

Of the 1170 unicorns (successful startups valued at over $1 billion) listed by CB Insights, 644 of them ? a little more than half ? are based in the US. China comes in second with 302 and India third with 108.

Japan? A total of 6!

世界で気を吐く、「ユニコーン」と呼ばれるタイプのスタートアップは、世界中で1100を数えます。実にその半分がアメリカ合衆国です。圧倒的ですね。そのかなりの部分がシリコンバレーにあります。

まぁ、それは皆知っているので別に発見も何もない。「アメリカンドリーム」が大っぴらに語られなくなってから久しいですが、やはり、いまだに起業&サクセス超大国なんですよ、あそこは。

そして、2位は中国で約300程度のユニコーン企業。続く3位はインド約100程度のユニコーン企業。

そして、Drum rolls… GDP総額世界3位を誇る我々の日本ですか?…たった6コ!ま、まじでか!?

ショックを受けて下さいね、メキシコ(8)やインドネシア(12)よりも少ないという事実に。

社会が持っている保守性や、失敗へのえげつない許容度の低さ、受験勉強的エリートばかりで溢れかえっている事実など、ヒューマンな側面も理由として挙げられていますが、ジョブ市場の硬直性など、構造に関することもたくさん挙げられています。

そして、私はこれらは非常に大きな理由だと思います。もちろん、例えば「硬直したジョブ市場」も、やはり保守的なキャリアパターンと、未だに解けない年功序列の強固な氷山から来ているとも言えますが。

特に、本当に優秀なエリートが社会を循環しないということが、決定的な弱点だと20年前から言い続けています。そして、今では確信がある。

それは、私が米国の生活で、優秀なエリート人材ほど、ぐるぐる、ぐるぐると社会を回っているという事実を何度も確認したからです。それらの先輩たちを見て、自分もそうありたいな、と強く思わされました。

一箇所に留まる人がクズ扱いされることは、アメリカに行く前から知識としては知っていましたが、そんなもんじゃなかった。大学、民間の研究機関、大統領府、政治行政部門、NPO、スタートアップ、ボランティア組織、フリーランス、そして起業にいたるまで、ありとあらゆる多様な業界に、彼らは人脈を駆使して動くこと、動くこと!!

より正確に言えば、兼業もたくさんすることになります。

動いてる間にスーパー人脈が次々にできるので、元の鞘に戻ったとしても、実績もネットワークも強烈にパワーアップしているので、結果としてそこでも出世します。

特定の組織における己れの【肩書きによる出世】ではなくて、そんなのとは無関係に、【社会的に出世する】んですね。「自分の名前で勝負できる人材」になります。強烈な、employability。そういう人たちが起業をするとエライことになりますが、実はそこまでこの手の人材に起業家率は高くない。起業foundersは、もっと若くて経験はないが、アイデアと度胸がたっぷりある連中が多い気がします。でも、彼らを補佐する役回りに、この手の人たちががっちり食い込むのです。または、社外取締役などとして雇われることになる。

そして、社会も、優秀な人材を色んな所で共有する事が出来るので、色々と課題解決に弾みがつきます。思ってもいないところからの人脈で人が引っ張り出されてチームが組まれ、気が付けば「どうやって集めたの、これ?」と言いたくなるような「特攻野郎Aチーム」(懐かしい…)みたいなのができてる!

そういうのを引っ張ってくる「ハンニバル(先のTV映画のリーダー格)」級のエリート人材が、そこらへんにわさわさしてました。けど、別にみながみな「傭兵」的な人ではなかった。元海軍のエリート部隊出身者もいたし、普通に地方の優秀大学を出て手堅く巨大企業に勤めるところから始めてる人もたくさんいました。でも、一か所に留まらない。守りに入らず攻めてるな、という雰囲気が常にありました。

【金は天下の廻りもの。でも同じとこばっかぐるぐる回る。】ということわざを聞いたことありますよね?アメリカでは、それが優秀な人材に当てはまります。【人は天下の廻りもの。でも、優秀なのは同じとこ(彼らが棲むジョブ市場)ばっかぐるぐる回る。】故にヘッドハンティングもあんなに盛んなんですよね。

この辺りを理解する感覚が、日本の世間に広く深く出てこないと、列島を覆う閉塞感は破れない。ユニコーンの数もまた、減っていく一方でしょう。ばんばん失敗して学び、どんどん成功率が駆け上がる…それを応援する風土というかジョブ市場は、必須でしょう。

逆に言えば、私も仲良くさせてもらっていますが、尖っている日本のスタートアップは、この悪い空気に汚染されないように、最初から海外のエコシステムを目指し、築き、行ったり来たりすべきだと思います。組織体が小さいうちから、これを行うことが肝要だと、常に助言しています。

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