将来は著作権侵害の判決で「脳スキャン」が活用される?~neuro-marketingはもうそこに

(info source: 「New approach puts brain scans on the witness stand in trademark disputes」 https://newsroom.haas.berkeley.edu/research/new-approach-puts-brain-scans-on-the-witness-stand-in-trademark-disputes/
(image source: UnsplashRobina Weermeijerが撮影した写真)

認知神経科学や脳神経科学が、どんどんビジネス系の裁判にも入り込んでいますね!いかにこの辺りがパワフルな科学業界かということがよくわかります。もちろん、その「使い過ぎ」への警鐘も並行して鳴らされてはいますけどね。

この記事は、知的財産権にに関する法廷闘争で、科学的な脳の活動記録データが「証拠」になりつつあるというものです。

ロゴや商標に関する知的財産権の侵害を法律的に捌くには、「similarity」つまり「類似性」が鍵になります。いかに一般的な消費者にとって、特定の二つのロゴや商品のいでたちが似ているか似ていないか、という点を精査して、侵害の度合いとするんですね。今は、それを行うのが主に少数の専門家と裁判官だけですが、より多くの一般的消費者を「被験者」として含み、本当に類似していると”脳が考えているかどうか”を脳マッピングで理解すれば、虚偽やごまかしがなく「類似性」が計測できるというロジックですね。

そこまで来たかという感じではあります。この、使えるものは使おうや、という感覚。いわゆる世間におけるプラグマティズムと実験主義は、やはり米国には健在だなと思います。良くも悪くも、新しい科学や技術を恐れずに、使ってみておかしかったら是正しようぜ、という知的態度。いいんじゃないでしょうかね。

ちなみにトリビアなんですけど、ちょっと似た感じで「うそ発見器」ってのがありますよね。科学的にはたいして強固なエビデンスを産めなかった「イグノーベル賞」的な発見なんですが、実はこれ、この記事が書かれたUC Berkeleyにて発明されました。それを考えると、同じ場所で、この周辺の認知神経科学的研究に強いプレゼンスがあるってところに、歴史の面白さを感じます。

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