中国の「小皇帝」の憂鬱(と日本との類似と相違)

中国のいわゆる一人っ子政策で生まれた「リトルエンペラー」たち。彼らは今40代に差し掛かろうとしていますが、自分たちの子どもと親の介護の間で挟まれて、大変な苦労をしつつあるようです。そして、少子高齢化のトレンドの中、その傾向はしばらく続きます。

日本でも状況は似ている(人口減少が著しいのである意味もっとヤバイ)のですが、大きな違いは4つほどありそう。1つ目に、中国の場合は、この時期に子供がいた家庭が、一人っ子だったということ。複数姉妹がいるというだけで、負担の度合いが全く異なりますからね。

2つ目に、高齢者の介護という点に関してのインフラが、公的介護保険が導入されてある程度経過する日本と比較すると、まだまだ脆弱であること。ここに加えて、今も「子供が親の面倒を見るべき」と言う儒教的慣習が、日本よりはるかに強いので、成長した小皇帝たちが、ほぼ孤軍奮闘することになります。その影響は、当然働き盛りの労働力への強いストレスになるでしょう。

3つ目に、これは日本でも言えることかもしれませんが、「どちらかを取れ」と言われると、自分の子供に多くのリソースを割こうとすること。生活・教育・すべてに関してです。中国の「教育熱」はこの10年間で異様な状況になっており、政府が一言口を挟むレベルの事態になっています。自分の子供も一人っ子の場合、成長した小皇帝たちは自分たちにつぎ込まれた以上につぎ込むことでしょう。そうなると、どうなるか。

4つ目の違いは、中国の場合、老後に備えて貯蓄に励む日本の高齢者とは異なり、取り崩せる貯蓄や資本が危うい農村出身者が多く、その子供たちが北京や上海に住むというケースが多いため、小皇帝たちが孫への投資ばかりに熱中すると、介護が必要な彼らには事態がより深刻になります。

いまや軍事拡張では南シナ海に出張って睨みを利かし、経済拡張では米国とバチバチやれるほど勢いのある大中国ですが、足元を大きくすくわれる少子高齢化は着実に進行しています。賢明なかじ取りが求められますね。

(記事: https://www.thinkchina.sg/chinas-little-emperors-1980s-are-now-most-burdened-generation

(photo credit: UnsplashのHassaan Malik)

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