釣り逃がした大きな魚とエコシステム

MY(マレーシア)やSG(シンガポール)で生活するのにもはや「生活必需品」となった感もある配車サービスのGrabですが、数か月後に米国ベンチャー株式市場のNASDAQに上場します。5兆円近くを集めると予想されています。創業者が2人ともマレーシア人にも拘わらず、米国株式市場にそのIPOを持って行かれることにMY国内では、「逃がした魚はでかいでえ!」と、ベンチャー経済インフラの早期充実を願う声が大きいようです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM13BJ10T10C21A4000000/

「潜在顧客層となる若手人口はむしろASEANの方が魅力」、「米国は先行する王者Uberなどと死闘を繰り広げる必要があり高リスク」と見えながら、なぜわざわざ米国に行くのか。またそれかぁと思うかも知れませんが、「エコシステム全体」の魅力ですね。市場規模だけではない戦略が窺えます。

客の数だけを問題とする短期的視点ではなく、ますます多角化していくデジタル x アナログ経済の中で、この記事にあるように「料理・食品宅配や金融事業の成長」を見こむ成長率や資本集積率、テスト商材を現場で試せる実験市場の存在などを鑑みると、Nasdaqは、そして米国経済社会は魅力の塊です。あれだけ政治的に痛んだ過去があってもね。このレジリエンスを抱えた多様なエコシステムの凄まじさは、遠くから眺めているだけでは恐らく分かりません。創業者は二人ともHarvard卒のMBAですが、この同窓ネットワークが持つえげつないパワーも、人材採用はもちろんのこと諸々活用できますしね。確か、創業当初の種キャピタルはHarvardの小型ファンドでした。

ASEANの成長力のある商売圏とUSAでの資本や人材調達をバランスよく動かしながら、どのように今後かじ取りをしていくのか、とても楽しみです。(ちなみに、UberはMYに進出したけど早々に撤退しており、この辺りの業界地図も面白くなっていくと思っています。)